再生プラスチックとカラーコンパウンドで実現する循環型社会

目次

はじめに

いつもお世話になっております。中定樹脂の林です。

弊社は、バージン材・再生材(リサイクル材料)のカラーコンパウンドを中心に、さまざまなプラスチックのマテリアルリサイクル事業を展開しています。創業以来、地域に密着しながら樹脂スクラップを価値ある原料へと再生してきました。本記事では、国内におけるプラスチックリサイクルの現状と、弊社の取り組みをわかりやすく解説します。


プラスチックリサイクルとは?重要性と現状

プラスチックは現代の生活や産業に欠かせない素材です。一方で、廃棄されるプラスチックの量も増え続けており、資源の有限性や温室効果ガス排出の問題が発生しています。

リサイクルとは、使用済みの資源や廃棄物を再利用することで、資源の有効活用や廃棄物削減を目的とする行為です。環境負荷を減らしながら、循環型社会を実現する重要な手段とされてきました。

日本国内では、リサイクル可能なプラスチックの総排出量は2020年時点で約800万トンに上ります。しかし、そのうち実際にリサイクルされる量は限られており、素材や処理方法によって差があります。


日本国内のプラスチックリサイクル3種類

プラスチックリサイクルは大きく分けて3つの方法があります。それぞれの特徴を理解することで、用途やコスト、環境対応のバランスを考慮した選択が可能です。

ケミカルリサイクル(化学的再生)

ケミカルリサイクルとは、廃プラスチックを原料やモノマーに戻して再利用する方法です。プラスチックを一度油やガスに分解し、再度合成樹脂として製造することで、バージン材と同等の性能を得ることができます。

  • 特徴:
    • 強度や耐熱性が高く、工業部品など高品質用途に利用可能
    • 廃プラスチックの完全循環が可能
  • 課題:
    • 原料の安定確保や添加剤処理の技術面・コスト面の難しさ
    • 国内での利用割合はわずか3%程度

事例として、食品トレー製造の「エフピコ」はDICと協力して、ポリスチレンのケミカルリサイクルによる食品容器の完全循環に取り組んでいます。👉詳細はこちら


サーマルリサイクル(熱回収)

サーマルリサイクルは、廃プラスチックを焼却する際に発生する熱エネルギーを回収して再利用する方法です。回収された熱は、地域発電、温水プール、ボイラーなどに活用されます。

  • 特徴:
    • 日本国内ではリサイクルの6割以上を占める主流の方法
    • 技術面での開発実績が豊富
  • 注意点:
    • 熱回収はリサイクルとは異なる場合もあり、物質としての循環は行われない
    • 排出権・温室効果ガス対策としての意義が大きい

マテリアルリサイクル(物理的再生)

マテリアルリサイクルは、モノからモノへ再生させる方法です。代表的な例はペットボトルのリサイクルで、以下の2種類があります。

  1. 水平リサイクル(ボトルtoボトル)
    • ペットボトルを再生し、新たに同じ用途のペットボトルとして再利用
    • 高透明度を保つ技術開発が進む
  2. カスケードリサイクル(ダウンサイクル)
    • 高品質の製品から低品質の製品に再生
    • 例:ペットボトル → カーペットやシート

プラスチックにはPETのほか、PP、PEなど様々な種類があります。用途や品質要求に応じてリサイクル方法を選定することが重要です。
👉詳細はこちら


プレコンシューマー品とポストコンシューマー品の違い

プレコンシューマー品(ポストインダストリアル)

  • 工場の成形端材や不良品
  • 一度も市場に出ていないため、物性劣化が少ない
  • バージン材との混合で高品質再生材として利用可能

ポストコンシューマー品

  • 消費者使用後に回収された廃プラスチック
  • 分別と洗浄が重要
  • 異樹脂混入や汚れにより、用途選定が難しい場合も

中定樹脂のカラーコンパウンドの強み

弊社は、再生プラスチックとバージン材の両方を活用したカラーコンパウンドを提供しています。特徴は以下の通りです。

  • カスタムカラーの再生ペレットを製造可能
  • バージン材の安定供給と品質保証
  • 耐候性、帯電防止、スリップ性などの機能付与も対応
  • 再生プロセス+物性評価により、バージンクオリティに近い品質を実現
  • 資源循環スキームの構築支援

再生プラスチック利用の未来と循環型社会

  • 欧州では再生材の利用が義務化され、日本国内でも追随する流れが進む
  • 単に再生材を使用するだけでなく、出口戦略を含めた資源循環の仕組み作りが重要
  • 日本国内では、2030年までに温室効果ガス46%削減、2050年までの達成目標に向け、再生プラスチックの活用が不可欠

まとめ

  • プラスチックリサイクルはケミカル・サーマル・マテリアルの3種類
  • 再生プラスチックの価値は分別・管理・加工技術で決まる
  • 中定樹脂はカラーコンパウンドで安全かつ高品質な再生材利用を提案
  • 循環型社会に向け、再生プラスチックの活用は今後さらに重要
  • サーキュラーエコノミーを推進する企業様のSDGs活動をサポート

📩 お問い合わせはこちら
再生プラスチック・バージン材のカラーコンパウンドに関するご相談は、中定樹脂までお気軽にお問い合わせください。

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