再生原料VSバージン原料 コストと品質を徹底比較

はじめに

いつもお世話になっております。早速ですが今日は再生材VSバージン材のテーマでやっていきます。

プラスチック製品の製造において、再生ペレットとバージン材料のどちらを選ぶかは、製造コストや品質管理の観点から非常に重要となります。再生プラスチック原料は、環境に優しくコスト削減を実現できる一方で、バージン材料には品質の一貫性が期待されます。

今回は、両者の違いと、それぞれのメリット、デメリットを解説し、どのような状況でどちらを選ぶべきかを考察してみます。
みなさまの参考になれば幸いですので最後までどうぞよろしくお願いします。


目次

再生ペレットとは?

そもそも再生ペレットとは、使用済みのプラスチックや製造工程で発生する廃材をリサイクルして作られたペレット(プラスチック原料)です。この再生ペレットが作られるプロセスでは、何よりプラスチック廃棄物の削減に大きく貢献します。
そして近年、環境意識の高まりや持続可能な社会の実現を目指す企業が増加しているため、再生ペレットの需要が拡大しています。

特徴

  • 環境に優しい:再生ペレットは、廃棄物を再利用することで、プラスチック廃棄量を減少させます。
           また、バージン材を製造するよりCO2排出量が削減されます。
  • コスト削減 :バージン材料に比べて製造コストが低く、製品コストの低減に貢献します。
           しかし近年では需給のバランスが崩れ始め、再生減量も高騰してきています。
  • リサイクル可能性:適切なプロセスを経ることで、プラスチック原料は何度でもリサイクル可能です。
             

再生ペレットを利用することで、企業はコストを削減しながらも持続可能な生産体制を構築できます。
また日本に比べ欧州の方では再生プラスチックが義務付けられており国内においてもプラスチック成形を行う業界では、再生ペレットの活用が進んでいます。


バージン材料とは?

バージン材料は、石油などの原料から作られた未使用の新しいプラスチック樹脂原料です。
バージン材料は、化学的な純度が高く余計なものがなく成形加工がしやすいという利点があります。また同グレードであればいつでも同じ品質の原料を仕入れることができます。特に高品質な製品や精度が求められる用途では、バージン材料の使用が主流です。

特徴

  • 高品質・高性能:バージン原料は安定した化学構造を持ち、一定の品質が担保されており製品品質の信頼性が高いです。
  • 一貫した加工性:初めて使用されるため、特に加工性に優れ、成形工程での不具合が少ないです。
  • 特定用途での必須性:食品包装や医療機器、車両系などの規制が厳しい分野では、バージン材料の使用が求められます。

コストの比較:再生ペレット vs バージン材料

再生ペレットは、製造コストがバージン材料よりも安く、環境への配慮が重要な現代において数多くの企業にとって魅力的な選択肢となっております。樹脂の種類やロットにもよりますが再生ペレットの使用により、原材料費を20〜30%削減できるケースが一般的です。

再生ペレットのコストメリット

  • 再生プラスチック原料は、バージン材料に比べて調達コストが低く、全体的な製造コストを削減できます。
    バイオプラスチック全般など
  • 廃棄物の削減により、廃棄コストや環境負荷も軽減可能です。
  • 再生ペレットのリサイクル可能性により、長期的に見て経済的メリットがあります。

一方で、バージン材料はコストが高く、特に市況による価格変動の影響を受けやすいですが、高い品質が維持されるため、精密な成形や特定の規格を満たす必要がある製品に適しています。


品質の比較:再生ペレット vs バージン材料

再生ペレットの品質は、高性能押出機の登場やリサイクルプロセスの技術進歩により、年々向上しています。
特に最新の再生技術を使用することで、バージン材料に近い品質を提供する再生ペレット製造企業が増えてきました。
しかし再生ペレットも全体的に見ればピンキリというのが現状です。
製品の特性に応じたバージン材のグレード選定と再生材のメーカー選びが最重要となります。

再生ペレットの品質特性

  • 廃棄プラスチックの選別や処理がしっかり行われていれば、バージン材料に近い品質が得られます。
    ベースとなるものをどれだけ見極められるかがポイントとなります。
  • 特に汎用プラスチック製品においては、比較的排出量も安定していることから再生ペレットの使用が進んでおり、コストパフォーマンスが高いです。

バージン材料の品質特性

  • 高い品質が保証されており、特に強度や耐熱性が求められる製品には最適です。
  • 医療機器や食品容器などの用途での信頼性は高く、バージン材料が一般的に選ばれます。
    こちらに関してはむしろ再生プラスチックはNGとなっております。

用途別の選択基準

再生ペレットとバージン材料の選択は、製品の用途や要求されるスペックによって大きく依存します。
再生プラスチック原料が適している分野もあれば、バージン材料でなければならない分野も存在します。

再生ペレットが適している業界

  • 自動車産業:再生ペレットは、自動車のバンパーやインテリア部品などでの採用が進んでいます。
          大手自動車メーカーをはじめ、これからさらに様々なパーツで再生プラスチックの採用が盛んになってくると思われます。
  • 建材業界 :建材に使用されるプラスチック製品は、性能よりもコスト重視で選ばれることも多く、再生ペレットが広く使用されています。また目に見えない部分に使用される部材などが多いのも特徴です。
  • 雑貨  :雑貨関係には以前より再生プラスチックが浸透しています。大量生産、大量販売となると樹脂原料1kgあたりの価格差が及ぼす影響は計り知れません。
  • 消費財 :再生プラスチック原料は、エコロジーを訴求する製品での利用が増えています。100円ショップなどでも当たり前のように
    再生原料という文字を目にするようになりました。

バージン材料が必要な業界

  • 医療・食品業界   :規制が厳しく、品質や衛生面で高い基準が求められるため、バージン材料が使用されます。
               特に医療系においてケミカルリサイクルなどでは今後使用されていくとは思いますがマテリアルでの再生材は難            しいのではないかと考えています。
  • 精密機器・耐熱性製品:高い強度や耐熱性が求められる場合、バージン材料の安定した品質が必要です。
               スーパーエンジニアプラスチックと呼ばれる鉄の代替になるような種類の樹脂ではまだまだ
               日本国内においてリサイクルは進んでおりません。

再生プラスチック原料の未来

環境問題への対応が進む中、再生ペレットや再生プラスチック原料の需要は今後ますます増加する見込みです。
企業は、環境への配慮とコスト削減を両立させるため、再生ペレットの使用を積極的に検討すべきであり、実際すでに多くの大企業から中小企業までが取り組みとして始めておられます。
技術の進化により再生ペレットの品質はさらに向上し、バージン材料に匹敵するレベルが当たり前になると思います。


中定樹脂が提供する再生ペレットとバージン材料

中定樹脂では、再生ペレットとバージン材料の両方を取り扱っております。それらをカラーリングとともにお客様の用途やニーズに合わせて、最適なプラスチック原料を提案いたします。
また、ここまでの説明では再生材として一概に説明しておりました。
しかし、用途に合わせて再生プロセスにおける加工技術や配合ノウハウ、さらに裏付けとなる物性評価試験など、様々な部分でバージンクオリティを求めることも可能です。

中定樹脂の強み

  • 再生ペレットのカスタムカラーコンパウンドが可能
  • 再生ペレットへの機能性付与(スリップ性、帯電防止性、耐候性等)
  • バージン材料(カラー品含む)の安定供給と品質保証、各種調査依頼対応
  • 資源循環スキームの構築補助ができる
  • 製品用途に応じた最適な材料提案を行い、コスト削減と高品質製品の両立をサポート

まとめ

再生ペレットとバージン材料の選択は、コストと品質のトレードオフをどのように解決するかにかかっています。

再生プラスチック原料は、コストを抑えながら環境に優しい選択肢ですが、用途や製品特性によってはバージン材料が最適な選択となることもあります。最適な材料を選び、コストパフォーマンスと環境への配慮を両立するためには、ニーズに応じた柔軟な選択が必要です。
当社ではそういった観点から最適なアドバイスをさせていただくことが可能です。ご興味の際は一度お声がけください。

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